虹掛ける君へ 1
「ねえ、佐々木センパイ。初恋は実らないって本当だね」
これは、俺の後輩である「相田由紀」が、俺に言ったセリフ。
初恋は実らない・・・かぁ。。。
確かにそうだな。
相田、俺もお前と同じように「初恋」は見事に惨敗で終わったぞ。
「ごめんなさい・・・」
そう言いながら、大粒の涙をこぼす「彼女」を見ながら、俺は今頃、俺の親友である直弘のところに行って、自分の気持ちを伝えているであろう、相田のことを思い出していた。
アイツも頑張ったし、俺も頑張ったよな…
そんな慰めの言葉を、自分自身にかけてみたけど、やっぱり胸の痛みは納まらない。
俺の親友である直弘は、相田の親友である智未ちゃんと付き合っている。
相田はそれを知っているんだ。
それでも想いを伝えにいっている。
直弘が悪いわけではない。
そして、今、目の前で泣いている、智未ちゃんが悪いわけでもない。
俺は泣いている彼女を見ながら、相田に負けじと想いを伝えた自分に頑張ったで賞をあげられるな……なんて思ったりもしていた。
どうして「恋」というのは、こんなにも無情なんだろう。
直弘と付き合っていることを知っていて、どうして俺は彼女に告白しようと思ったんだろう。
そして、どうして相田を止めなかったんだろう。
彼女を、自分のものにしたかったわけじゃない。
ただ、自分の気持ちを伝えたかっただけだった。
でも…。
泣いている彼女を見て、この行動が正しかったのか、わからなくなってしまった。
自分の気持ちを伝えたかったのは正直な気持ちだけど、彼女を決して泣かしたかったわけじゃないから───…。